新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道 0

概要

新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道の地図 主要地方道大潟高柳線は日本海に面する旧大潟町(現上越市)内の国道8号との交差点を起点とし、 杜氏の里として知られる旧吉川町(同)を経由して山間の旧高柳町(現柏崎市)の国道252号に至る。
歴史的経緯から、この区間は旧吉川町の東端にある川谷集落を境として東西に分けられ、今回は特にその西部、旧吉川町地内について紹介したい。

この道は古来より日本海の海産物と山間地の米や材木が行きかう交易の道であったが、明治期には沿線の平等寺で石油が採掘され、 その重要性は高まりつつあった。
これを受け、明治39年には平等寺まで開削されて平等寺線と称されたが、財政難から、周辺集落はこの路線の県道指定を目指すことになる。
実際、明治39年の開削と同時に県道指定の請願が出されているが、ほぼ同時に、この路線の南を並走して 川谷集落へと通じる現県道241号 川谷十町歩(じっちょうぶ)線の県道指定の請願も出され、当時の県の担当者は大いに頭を悩ませたらしい。

その後も何度となく県への請願を行っているが、上記の理由から期待するような返答は得られないまま、 大正9年には平等寺線は川谷まで通じ、郡道川谷原之町線と改称される。
やがて郡制の廃止と道路法の成立によって郡道制度が消滅すると、沿線集落はこれに乗じて積極的な県道指定運動を展開し、 ついに大正15年に県道川谷潟町線として指定された。

県道の指定は受けたものの、吉川町の最深部、尾神〜川谷間にそびえる峻険な峠は道路改良を阻み、その整備は立ち遅れている。
昭和33年には吉川潟町停車場線と改称され、平成6年には高柳町にまで延長されるとともに、主要地方道に昇格したが、その状況は変わらず、 先に述べた尾神〜川谷間、および、川谷より先、主要地方道に昇格するとともに指定された区間の一部では、とても主要地方道とはいえない有様である。


以上のように、長年にわたり尾神〜川谷間の峻険な峠は車両の往来を拒んできた。この区間全体にわたり、大規模な改良というのは行われていないが、 唯一、目を見張る改良工事が昭和のはじめに成された。
それが峠を越える尾神隧道である。

この隧道の今、そして未通県道の今を見に、夜も明け切らぬ午前5時過ぎ、相棒を担いで電車に乗り込んだ。

0-1 ベル鳴らせ

新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道 1 降り立ったのは信越本線柿崎駅。
構内には側線がいくつもあり、周辺の駅の中では割と大きいほうだが、駅周囲は趣のある古町の情緒が漂う。

平成16年末までは柿崎町という自治体の中心駅であったが、平成の大合併により現在では上越市の一部となった。 上越市は14もの市町村が合併しており、この数は平成の大合併の中でも最も多い。おかげで、広大な領域のある地点を指すのに、 今までは「○○町」ですんだのが、いちいち「上越市旧○○町」あるいは「上越市○○区」などと表記する必要があり、回りくどい。
新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道 2 柿崎駅から県道25号、さらに61号をまっすぐ南へ進み、原之町交差点から78号へと入った。 61号は78号よりも古い歴史を持ち、かつてこの大潟高柳線が川谷原之町線であった時代は、61号との交差点がその終点であったと思われる。

78号は東へと向きを変え、ゆるゆると山中へと入っていくが、まだ周辺には人家も多い。
尾神集落までは路線バスも走っている。
新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道 3 路線バスの走る道に昔懐かしい「警笛鳴らせ」の標識である。
この標識、旧道には「つづら折れあり」とともによく見られるものだが、道路改良の進んだ昨今では、現役道路に見られることはほとんどない。 それが、路線バスの走る現役主要地方道に今なお健在であるとは。
もちろん、私もベルをチリンチリンと鳴らしながら進む。


しかし、警笛を鳴らすほどの道なら、せめてその標識くらいもう少し目立つようにしたらどうか。このままでは、緑に埋もれてしまうぞ。
新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道 4 警笛ならせの標識辺りから傾斜はきつくなり、10%くらいはあるだろうか。この日は初夏を通り越して真夏並みの天気で、最高気温は30℃との予報だった。 まだ午前だというのに、ジリジリと焼け付く日差しが想像以上に体力を奪う。登っては休み、休んでは登るをちまちまと繰り返せざるを得ず、 すでに気力は萎え気味。
おまけに今日は一泊二日の予定で、後ろの荷台にはテントやらシュラフやらが満載されており、なおさら登りの体力を消費させる。

尾神手前の坪野集落にて、わずかな木陰の中で休息をとりつつ振り返って撮影。 登り始めてからそれほど距離は進んでいないはずだが、標高は200メートルを越えていた。

0-2 未通区間

新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道 5 集落が尽きると、道は一気に狭くなる。いや、道幅自体はそう変化ないのかもしれないが、手入れのされていない路肩の植物が道路上にはびこり、 そう感じさせる。

地図によって未通区間とされている部分がまちまちで、現地でも「ここから未通区間!」という線引きもされていない。また、 車両に通行の注意を促すような看板も見当たらなかった。
主要地方道のプライドとして、「通れるもんならご自由に」ってこと?
新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道 6 一応、どの地図でも未通とされる区間に入っているのだが、舗装はされており、最近施されたような路肩の工事も見られた。
写真は谷を迂回する道の先。
新潟県道78号 大潟高柳線 未通区間と尾神隧道 7 うおっ、狭っ!

どこのサイクリングロードだよここ。


道幅は完璧0.8車線。普通車で通れるのか?軽トラ専用道路とかですか?

両脇には十分な余裕があるんだから、広げてやればいいのに・・・。
なんだか、狭いままに舗装してしまったところに行政の「もうこれでいいや」感が漂う。
未通ではあるが、行政の思惑が見え隠れする最「狭」県道。
次回は峠へのアプローチと、尾神隧道。
未通県道に未通標識ありき。
[ 05' 6/25 訪問 ] [ 05' 11/2 作成 ]
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