国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 1

概要

国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠の地図 数多の人間が注いだ心血により、昭和も中期になってようやく開通した車道。
車道として共用されたのは、トンネルが開通するまでのわずか20年余りではあったが、確かにそれは沿線住人の悲願であった。

今目の前に続く怪しげな道。
先に待っているものは、住人の喜びを伝えるものか、私に死を告げるものか。

1-1 美道

国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 9 自転車ごとロープを越えると、道はすぐにダートになる。砂利はよくしまっており、MTBなら快適に走ることが出来る。
四輪の轍もはっきりしており、往来はそれなりにあるらしい。
頭上を行く送電線の標柱がそこかしこに見られ、その保守道として活躍していることがうかがえる。
国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 10 ロープから数百メートル進んだ地点で、Y字に分岐。

左:轍の薄い薄藪道
右:轍くっきり。

線形的にはどちらもありえそうな感じだが、なんとなく左の藪道は「嫌な予感」がしたのでパス。
右の往来が多いほうへと進んだ。
国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 11 相変わらず走りやすい道が続く。
旧道に入るまで続いたアスファルトの熱波から解放され、さらに木々の隙間からの日差しは 先ほどの熱線のような太陽光とは違い、どこまでも穏やかだ。

つい暑さを忘れ、しばし快走のひと時を楽しんでいたのだが、ふとハンドルバーに固定した私の秘密兵器、 GPSに目をやると、旧道の道筋からどんどん離れていっていることに気付いた。
おまけに、やけに快適だと思ったら微妙に下っていたらしい。


うーん、どこで道を間違えたか?

って、あそこしかないわな・・・

1-2 嫌な予感

国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 10 というわけで先ほどのY字路までバック。

見れば見るほど左の道がただの送電線の保守道にしか見えず、国道旧道には見えない。
もっとも、左が送電線の保守道というのはある意味正解であって、 右は山間に切り開かれた水田に繋がる農道として農作業の往来は多いが、 左の道は鉄塔にしか繋がっていないため、事実上保守道としてしか機能していないのだ。
しかし、「どっちかが国道旧道で、どっちかが送電線の保守道です」なんて言われたら、九分九厘右が国道と思うだろう。


まあ、ぶちぶち文句を言っても仕方が無いので、突入。
ちなみに、ここで電池を落として探し回るはめになった。なんかもう入る前から旧道見つからないわ、 道を間違えるわ、電池落とすわ・・・これはこの先進んではならぬという神の啓示なのか?
国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 12 案の定、急に藪が生長しだしてきた。
両脇から植物がはびこり、自動車ならこすらずには入ってこられない。
国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 13 道はすぐに広場に出る。比較的近年に法面施工をしたような形跡があり、 写真に写る鉄塔の転回所として使われているようだ。

一応、かつては十字路だったようで、正面と左右へ伸びる道の痕跡が見られる。
あまり詳しくは探索していないのだが、左、もしくは正面の道は鉄塔へと通じているっぽい。

30年ほど前の航空写真を見てみると、正面の道は採石場か何かへと通じている。 砂煙を上げながら、砂利を満載したダンプがこの道を通った姿は、 藪に包まれ静寂を取り戻したこの地からうかがうことはできない。
国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 14 国道はこの十字路から右へと入っていく。
経験上、こういう転回所から先の道はひどい有様になっていることが多いのだが、 幸いにして(今のところ)はっきりした道が続いていた。
国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 15 ここは離合地点の跡だろうか。
古い地図を見ると、この付近には入場(にゅじょう)という集落があり、先ほどの航空写真にも数件の民家が見て取れる。
入場集落も昭和31年の車道開通により、初めて集落へ通じる車道が出来たわけだが、その頃でも戸数はわずか6戸であった。 車道が出来たとはいえ、冬期は新潟の豪雪に閉ざされるようなところでは生活は大変だったようで、いつの頃からか、 この地に住まうものはいなくなり、ついに廃村となってしまった。
道に隣接する建物もあったようだが、その遺構は見られなかった。藪が薄い季節にもなれば、廃墟も現れるのかもしれない。

1-3 激藪

国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 16 入場集落跡を過ぎると、道はますます怪しくなる。
集落跡付近がそれほど藪がひどくなかったのは、やはりかつての人間の生活の痕跡なのか。
国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 17 進むほどに藪は密度と高さを増し・・・
国道253号 儀明峠トンネル旧道 儀明峠 18 こうなる。

今までの快走が嘘のように、藪との格闘が始まった。
藪は腰ほどの高さで、視界を遮るほどではなく、また四輪の轍の痕跡が藪の高低差となって何とか見て取れる。
とはいえ、自転車に乗って通ることは出来ず、無理やり掻き分けて押し通すしかなかった。

ヤバイ・・・Y字分岐で感じた「嫌な予感」は、図らずも的中してしまうのか?
藪は断続的に激しくなったり消滅したりを繰り返すが、全体的に進むにつれて濃くなっていき、 体力はもとより、突入に何よりも重要な気力を奪っていく。
峠は・・・まだ遠い。
[ 05' 6/25 訪問 ] [ 05' 11/2 作成 ]
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