国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 2

概要

国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発の地図 なんともないはずの現役国道トンネルに隠された素掘り横坑で、私の顔は緩みっぱなし。
自転車の遅いスピードでなければ、ほとんど存在は意識されないだろう。
いやー、自転車ってほんといいもんですねー

2-1 二つ目の横穴

国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 15 ゴージャスな北海道の国道トンネルとしては、狭いトンネルである。
850メートルという建設当時としてはかなり長い延長なだけに、コストを削って作られたのだろう。
歩道もなく、自転車は車道を走らざるを得ないが、追い抜く車などいやしない。
快調快調。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 16 マタデスカッ!!

遠くからうっすらと見えた壁の青い光にもしやと思っていると、またもやでっかい穴が開いていた。
まさか再び現れるとは思っていなかったので、先ほどの横坑とどれくらい距離が離れているのか意識していなかった。

今度の横坑は微妙に封鎖の形跡が見られるが、肝心のものはどっかへ行ってしまっている。

2-2 常識人と非常識人の境目

国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 17 先ほどと比べて漏れている光は少ない。
ってか、何だあの坑口の歪さは。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 18 おやあ?
「土砂による封鎖」ですかね?ずいぶん中途半端じゃね?

サイドバッグから明かりを取り出し、乾いた土砂を乗り越えにかかる。
自転車は上の写真の位置に置くとものすごく目立つので、横坑に引っ張り込んで隠しておいた。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 19 おっちゃん!崩落崩落!!

現役国道トンネルの横穴には、落盤が起こっていた。
この土砂があったらしい天井部分に、土砂の体積と同じ程度の空間がポッカリとあいている。

いいのこれ?いや本坑と違う横坑だから、どうなっても被害はないんだろうけどさ・・・
現役国道トンネルに直結した部分でドカドカ崩れるってのは、心情的に気持ちのいいものではない。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 20 崩れかけた隧道が接するのは気持ち良くなくても、崩れかけた隧道に入るのは気持ち良い、って人間は意外と多いもので。
よく見ると足元にはバイクの轍か人の足跡らしき痕跡が刻まれている。
誰しも、子供のように冒険心をくすぐられるのである。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 21 ・・・子供心にこういうのはよろしくないねえ。
もっとも、小学生ならばまさに洞窟に埋蔵金を見つけた気分で・・・ゲフンゲフン

ピンク色の「カ・イ・カ・ン」の文字に年代物かと思いきや、最近リメイクされたドラマの紹介記事だった。
これはまあ全年齢って感じですが、お子様には見せられないようなものも奥には多少散らばっていた。

2-3 ある意味現役の廃隧道

国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 22 相変わらず、素掘りの奥に明かりがあるというのは妙な光景で楽しい。

最初に見た横坑に比べて壁面がボコボコしているのは、かなりの割合で崩落の結果による。
洞内の状態は非常に悪く、崩落した巨大な岩塊がそこらじゅうに転がっている。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 23 極めつけは出口付近にあったこの崩落だろう。
隧道の断面積の3分の1を塞ぐほど巨大な岩が横たわっている。
無論、天井はこれと同程度かそれ以上に抉られていた。

この場所は漏水も半端じゃなく、強い雨のようにバラバラと落ちてきている(写真上部に写る白い点がそれだ)。
真冬には凍り付いて大量のツララと氷筍が見られるんじゃなかろうか。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 24 "雨"に打たれながら撮影。
なんというか・・・時代の違う光景だ。
滝の沢トンネルは昭和40年ころに出来上がったものだが、海岸を伝う道路には大正から昭和初期に隧道が掘られ、開通した部分もある。
そういった隧道から見えた景色というのは、こんな感じだったんだろうな。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 25 出口付近には木製の梯子や坑木が散乱していた。
梯子は短く、出口の海に小船を泊めて、そこへ降りるのにちょうど良いくらいの長さだ。
トンネル開削時にもこうやって工事をしていたのだろうか。
ちなみに、後に判明したこの横坑の位置はちょうど滝の沢トンネルの中間地点にある。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 26 出口から左、古部側。
海面からはさほど高くなく、高波が押し寄せればまともにかぶるだろう。
2〜3メートルの津波でも押し寄せれば、横坑を逆流して本坑にまで到達する可能性がある。
トンネル通行中に、横穴から大量の海水が噴出してくる光景など、想像するだけで恐ろしい。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 27 反対の椴法華側。
波打ち際を歩くこともできない険しい地形だ。
こんな地形が向こう数kmも続くのでは、長大な隧道がなくては陸上交通は成り立たない。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 28 振り返って撮影。 横坑の延長は先ほど探索したものよりも少し長い気がする。


滅茶苦茶に崩れ去った支保工とその先の崩落、そして天井から降ってくる大量の漏水は、まさに廃隧道そのものの光景である。
だがしかし、この先はナトリウムランプの淡い光が照らす現役の国道トンネルに接続しているのだ。
その場所を、多くはないが自動車が行き来する姿も見える。
私は今、とても・・・不思議な場所に立っている。
まだだ。この滝の沢トンネルの横穴は、まだ終わらなかった。
一つ目はたいした障害も無し、二つ目は崩落と大量の漏水。
トラップは徐々にそのレベルを上げていく・・・
[ 09' 3/20 訪問 ] [ 09' 4/1 作成 ]
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