国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 3

概要

国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発の地図 現役の国道トンネルの裏に隠された異世界の光景は、まだ続く。
ひとつあっただけでも貴重な存在なのに、続いちゃうんです。

3-1 出口を示す標識が示すもの

国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 29 二つ目の横坑から戻ると、近くには出口を示した標識があった(右が入り口側)。
これによれば、横坑は滝の沢トンネルの入り口から約400メートルほどのところにあり、延長850メートルの滝の沢トンネルのほぼ中間地点にあたる。


妙なのは出口までの距離だ。
この先の出口は2km以上も先という案内になっている。
地図では滝の沢トンネルの出口は覆道に直結し、さらにその先で別のトンネルにつながるようになっている。
新トンネルに切り替わるのか?
滝の沢トンネルの次にあるのは銚子トンネル(昭和49年竣工)で、これができるまでは岬を回っていたため、当時は横の沢トンネル850メートルを抜ければ確かに外へ出ていた。
現在では覆道と銚子トンネルが連結しているため、滝の沢トンネル出口がすなわち外とは言いがたい。
このために出口は銚子トンネルの先と案内しているのだろう。

この後で覆道まで行ってみると、覆道には窓が開いており、外へ出られないことはない。しかし、その場所でなにやら工事を行っていた。
高潮対策として、覆道も隧道のようにコンクリートで覆ってしまわれるかもしれない。
そこまで大規模な改築を行うのなら、これまでの崩れた横穴も放ってはおかないだろう・・・

3-2 聞こえるのは廃道からの声のみ

国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 30 「そんなことになる前に喰らい尽くしてくれるわ!」
ってまあ現地ではこの先の工事のことなんか知る由もなかったんですがね。

二つ目の横坑からどれほど行っただろう。現れた三つ目の横穴。
そこは木枠と鉄パイプで封鎖されていた。
えっ、封鎖?!
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 31 前二つがオープンだっただけに、封鎖という事実に若干戸惑う。
もっとも、前二つも以前はこのように封鎖されていたのかもしれない。

隙間から覗くと、お決まりの崩落と・・・ありゃ、水没してますな・・・
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 32 封鎖と水没という、見るからにめんどくさそうな横坑に、一時は「もう二つも探索したし、いっか」と先へ進むことも頭をよぎった。
・・・よぎっただけだったけど。


鉄パイプの隙間はスカスカで、猫のように間を抜けることも可能かもしれないが、万一引っかかってしまうとシャレにならないので、天井との隙間を抜けた。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 33 自転車は抜けられない。
あの位置だと・・・ちょっと目立つなあ・・・
しかも、このあたりから出口付近で工事している音が聞こえてきた。
幸い横の沢トンネルはカーブしていて、出口からも入り口からもこの場所は見えずにすむ。
けど、トンネルの横穴にどーんと自転車が置かれていては、怪しさ100%じゃないか・・・
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 34 えーい、知らない、聞こえない。


コンクリート製の覆工を抜けると、すぐに足元を土砂が覆う。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 35 もちろんこれも落盤による。
天井部分がドーム上にくりぬかれている。
素掘りというのは個性的で迫力があるが、やはりコンクリート製の覆工の存在は隧道の保護という点で非常に大きい。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 36 さっきから振り返ってばかり写真を撮っている。
出口を写そうとするとどうしても逆光になるし、何より他で見たことのないこの不思議な光景が気に入った。
危険なだけに、目の前の光学的な風景だけにはとどまらない物も感じられる。
そういった廃美というものは、本来現役トンネルの近くにあってはならないはずで、この光景もいつまでもつことか。

3-3 洞床の水は針の山のごとく

国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 37 逆さ富士ならぬ逆さ出口。
出口付近は水深20cmほどで水没している。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 38 濡れずに進めるのはここまでが限界だ。
出口までは、あと5メートルほど。
長靴がほしいのう。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 39 振り返って撮影。


まあ、正直言ってここまできて引き返すことはまったく頭になかった。
4ヶ月もの間、充電を続けていたExplorerをなめるなよ。
これしきの水、全部電気分解してやんよ!
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 40
Cooooo(゚∀゚)oooool !!!!!
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 41 かあさん・・・三月の北海道の水は、まだ冷たいです・・・


足をつけた瞬間の微妙な浮遊感の後、靴の中に浸み込む水の嫌な感触が続く。
刹那、痛覚にも似た刺激が足先を覆い尽くした。
足がちょん切れたかと思った。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 42 水を抜けた先に何があるって、何もないんだよ?
左を見ても天然の磯が続くだけで、↓
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 43 右を見ても豪快な岩場とトンネルを抜けた先の覆道が見えるだけ。
二番目の横坑にあったような人工物は周辺には見当たらない。
国道278号 滝の沢トンネル 素掘り横坑三連発 44 水没区間は短く、出口から振り返って見る景色もそう変わるものではない。
それでも、探索者として越えるべき距離だった。
たとえその報酬が薄く、それどころかこの後の旅程で常時その冷えに苦しめられようとも・・・

現在の気温は、冷蔵庫の中と同じくらいである。
横坑を出て(もちろん帰りも濡れて)、少し行くと横の沢トンネルを抜ける。
第一〜第三の横坑はおおむね等間隔に分布しているように思われる。
まさかおおっぴらに横坑に入れるとは思っていなかったし、その先で見た光景は個性的で他には無いものだった。

そして、これらの横坑は大事なことをも教えてくれた。
それは、もうすぐと思っていた春はまだ遠かったということだ。
[ 09' 3/20 訪問 ] [ 09' 4/8 作成 ]
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