国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 3

概要

国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道の地図
二重の通行止め───
その状況だけで、先に何があるかは大体予想がつく。

かつての観光地?そうだったらいいね・・・

3-1 小函

国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 33 通行止め区間のさらに奥にあったゲートには、日焼けした文字で注意書きが書いてあった。
通行止め(町道廃道区間)
9月15日落石があったことから、危険なため絶対に入らないよう、ご協力をお願い致します。
・・・だそうだ。
この9月15日というのがいったい何年のことなのかはわからない。
また、明示的に町道廃道と宣言するのはあまりないことだ。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 34 柵の隙間から向こうを覗いてみると、いい具合に綻びたアスファルトと、ゴロリゴロリと巨大な岩塊が二つ、路上に転がっている。
あれほどの落石ならば、撤去した上で開放するだろう。
層雲峡の渓谷美の最たるを封印してしまうほどの落石とは、まだ先にありそうだ。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 32 さてこの強固な柵をどうしたものか・・・
両脇までガッチリ固められ、自転車を隙間からもぐりこませるスペースはない。
かといって上を越えるには少々高く、担ぎ上げる必要がある。
フル装備の自転車は持ち上げることだって難しいってのに・・・
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 35 自転車をこの場に残し、単身で越えることも考えた。
が、それをやってしまうと大幅なタイムロスになるし、鹿の死体だらけの不気味な道をまた戻らなくてはならない。

結局、サイドバッグをはずして少しでも身軽にした上で、担ぎ上げて越えた。
途中、前輪のフォーク部分が柵に挟まってしまい、抜けなくなってしまった。
10分ほど試行錯誤の後になんとか脱出したものの、時間的には引き返しても大して変わらなかったかもしれない。
この先にきっと「ひどいもの」が待っているだろうし、ね。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 36 「注意 落石のおそれあり」と書かれた標識に落石が直撃している。なんと説得力のある標識だろう。

奥の法面はかなり最近に手を加えられたように見える。
第二ゲートまでは、そのうち開放する心積もりなのだろうか。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 37 道は右手に石狩川を見ながら遡っていく。
川幅はぐっと狭くなり、天城岩あたりでは他人事のように見上げていた岩峰が手の届きそうなところにせまってきた。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 38 ・・・すげえ・・・

目の前に聳え立つ岩壁は今にも覆いかぶさってきそうな迫力がある。
一般観光客が見ることができる、流星の滝周辺の岩壁も、小函といわれるこのあたりの岩壁に比べると「ちっぽけ」に見えてしまうのは、ひとえに相手との距離にある。
ほんの数十メートルを隔てただけの場所にある小函の迫力は、遠巻きに眺めた瀑布とは比べ物にならない。
・・・危険であるとはいえ。いや、危険だからこそ、かも。

3-2 神削壁─"ネ申"を感じられる場所

国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 39 旧二桁国道のわりには道幅が狭く見える。
これは道の左側が急斜面のため、路盤の中央付近から左側を立ち入り禁止とし、植林されたためである。
一線を退き、遊歩道へと生まれ変わった道は、旧国道というには少々邪道かもしれない。
しかし、ひび割れたアスファルトから噴出する様に生える植物達や、錆びた転落防止柵は、時の流れを実感させる廃美そのもの。
よく見ると写真左の草むらには追い越し禁止のセンターラインも残っているのがわかる。
舗装をはがして土を盛った上に植林までしてしまう北海道の旧道には珍しいものだ。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 40 錦糸の滝を過ぎると、また少し景色が変わる。
今まで石狩川を挟んだ対岸に眺めてきた柱状節理の岩壁が、本当に手が届く、道の左側に並ぶのである。
高さ100メートルを超える柱状節理が屏風のようにザーッと並ぶその光景には度肝を抜かれた。
奥のほうで何かがどうかなっているのは見えたけど、いやほんとに、度肝を抜かれたのは↓
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 41 こっちじゃないんだから!!

来るだろうと予想してたから!
二重のゲートって時点で普通じゃねえから!
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 42 岩屏風が続くこの一帯は、神削壁と呼ばれていた。
まさにその文字が示すごとく、神が削ったような凄まじい岩壁が数百メートルにわたって延びるところだ。

その入り口で、"神の怒り"は下った。
崩れた岩が路面いっぱいを覆い尽くし、道を塞いでいる。
歩いてならまだしも、自転車が・・・
戻れというのか・・・
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 43 「歩いてなら、もしくは、軽量装備の自転車を担いでなら、越えられる」というのが、ひとしきり偵察した後の結論。
重装備の自転車を連れ立った今では、事実上不可能ということになる。
自転車を置き去りにできる状況ならば、そうしたであろう。
が、今置き去りにすると、いずれは戻って二つのゲートを越えた上、延長3000メートル超の銀河トンネルを行かなければならないことになる。
もはや悩むべくもないな、ここは自転車という武器を発揮すべきところだ。
自転車からサイドバッグを取り外して身軽にした上で、担ぎ上げた。

幸い足元の路盤は生きているため、問題はどこを通るか。
直に岩場を登りつめるのは厳しく、結局こんな縁を通ってゆくことにした。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 44 自転車を担いでいると、「振り返って撮影」ということができない。
これは外したサイドバッグを取りに戻ったときに撮影したもので、写真の奥が第二ゲートの入り口方向になる。

よく見ると路盤も微妙に崩れている。
石狩川の流れによってさらにこれが削られれば、こうして歩いていくこともできなくなるだろう。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 45 崩落から結構な年数が経っているようで、足元は割りと安定している。
そうはいっても、片手に重い自転車を担いでいては、ふらりとよろめいただけでそのまま川にドボンだ。
自分の体の動きを慎重に意識しながら、10メートルほども行けば向こう側が見えてきた。
すぐ横にはかつて多くの観光客を唸らせた神削壁があるというのに、それよりも廃された路盤に目がいく自分が悲しい。
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道 46 なんとか難所を過ぎ、振り返って撮影。
いくら装備を取り外したとはいえ、テントと寝袋はやはり重かった。

滴る汗をぬぐう間もなく、今度は置き去りにしたサイドバッグ×2を取りに戻らなくてはならない。
死体が転がる道にはあまり長くいたくないんだけど・・・
もはや、一般には目にできない光景を楽しむ余裕はなくなっている。
足元を見れば鹿の死体が転がり、天を仰げば今にも喰らわれてしまいそうな大絶壁が左右両方から迫っている。
口元が緩むような感情は、この廃遊歩道ではわきあがってこない。
なにしろ、「二重通行止め」の区間はまだ終わる様子がないのだ。
[ 09' 6/27 訪問 ] [ 09' 8/10 作成 ]
前の記事へ次の記事へ
ひろみず http://d-road.sytes.net/ webmaster@d-road.sytes.net
国道39号 銀河トンネル旧道 小函遊歩道1234