国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 2

概要

国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道の地図 国道旧道としての味わいが頂点に達しているといっても過言ではない。

だがまだまだ。
本当の見せ場は、鋭いカーブの先に待っていた。

2-1 五十島隧道

国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 13 カーブを曲がると、緑に覆われたコンクリートが見えてくる。いよいよこの区間のハイライト、五十島隧道とのご対面である。
五十島隧道は昭和33年、二級国道115号時代に竣工したが、昭和54年の新トンネル開通によりわずか20年で廃隧道となった。

新トンネルと同様、隧道にはスノーシェッドかロックシェードかわからないが、すでに劣化著しい履道が接続している。 これもすっかり緑に覆われ、まさに廃墟。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 14 履道から内部を望む。コンクリート柱に絡みついた蔦が絶妙だ。
履道自体は短く、すぐに隧道が見える。また、隧道も短く、向こう側も見えている。隧道の反対側も履道が接続しているようだ。
履道によって風雨から守られた路面には、二重の中央線が色鮮やかに残っている。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 15 内部より振り返って撮影。
隧道直後に見通しの悪い急カーブという線形はやはり危険である。写真では暗がりに隠れてよく見えないが、「徐行」の標識まである始末。
二桁国道でカーブミラーを見ながら慎重に・・・というのは、昭和も後半になれば十分に時代遅れであった。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 16 隧道は履道よりも断面積が小さく、明るい屋外から急に暗い履道へと突入し、直後に断面積が狭まるわけで、 その側壁に衝突するケースも多かったのだろう。
隧道側壁は白くマーキングされ、ドライバーへの注意を喚起している。
だが、それも時代とともに消えつつあるようだ。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 17 天井には四角い跡が一列に並び、照明設備も備わっていたらしい。
実際、奥にはいくつかのナトリウムランプが残されていた。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 18 隧道は正直言って劣化がひどい。
崩落らしい崩落はないが、亀裂は縦横無尽に走り、亀裂を中心として内壁の剥離はいたるところで起こっている。
中央付近、すなわち天井の頂点にはそれほどダメージはないのか、道の中央は歩きやすいものの、側壁の劣化振りは痛々しさすら覚える。
中には鉄筋がむき出しになった箇所もあり、おまけに錆びまくり。
グシャッと逝くのも、そう遠い日ではないのかも知れない。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 19 記録によると、隧道の延長は35.6メートル。通り抜けはあっという間だ。
こちら側の坑口も、履道と白線による側壁注意のペイントが施されている。このペイントは履道自体にもあったようだ。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 20 東側坑口に付設された履道は、反対側のものよりも長い。
途中から履道の構造が変わっており、後に延長されたものと思われる。
左の標識は高さ制限3.3メートルで、大型車はギリギリ。



侵食する植物、劣化したコンクリートとアスファルト、朽ちた標識にセンターライン、そしてとどめに廃隧道。

私が廃道に求めるすべてがここに凝縮されている。
ああ、萌え死にそうだ。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 21
萌え死ぬ!

2-2 現道に合流

国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 22 隧道を抜けても、緑豊かな旧道は続く。
写真は振り返って撮影しており、奥が隧道方向。路面に残されたペイントが、この先の危険を予感させる。

この写真の撮影時ではないが、一台の普通乗用車が隧道へと突っ込んでいくのを見たことがある。
この先は車止めのために乗用車は通れないはずなのだが・・・あの黒塗りの車はいったいどこへ行こうとしていたのか?
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 23 現道との接続点近くには広大な広場があり、現役の測候所がある。

春にここを訪れたときには、法面の補強工事を行っており、多くのトラックが並んでいた。
新潟側から隧道を抜けてきた私はいまさら引き返すわけにも行かず、その隙間を忍者のごとく移動する羽目に・・・見ないで〜
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 24 隧道から現道合流地点までの距離はそう長くない。測候所を過ぎればすぐである。

こちら側の合流点にも、パイプによる車止めが設置されている(2005年春撮影)。
通常は閉じられているが、このときは工事のために開放されていた。新潟側の車止めよりは簡易的で、その気になれば自力で開けることもできそうだ。

また、このときはトラックの誘導員がおり、崩れかけの廃隧道を突っ切って現れた一台の自転車を見て、怪訝な顔をしていた。
軽く会釈して、何事もなかったかのごとくその脇をすり抜け・・・たかったのだが、この写真を撮るために一時停止。 一般人にとって、こんなところでの写真撮影など理解に苦しんだことろう。

撮影中、さっさとどけと怒られるのではないかと内心ドキドキだったことは秘密だ。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 25 五十島トンネル東側坑口と旧道との合流地点(2004年秋撮影)。
国道49号 五十島トンネル旧道と旧旧道 26 写真は2004年秋のもので、近くの五十島橋から隧道方向を撮影。灰色の岸壁の下辺りが五十島隧道。

現道は暗いトンネルの中を延々1キロも走ってるわけだが、旧道は阿賀野川の川べりを走っており、秋も深まれば 紅葉の名所として知られる阿賀野川のもみじを満喫できる。
このときは現地を訪れなかったが、旧道は色とりどりの紅葉の中を走りぬけているようだ。
紅葉のシーズン以外でも、暗いうえに狭い歩道を通らざるを得ない現道トンネルを行くのではなく、 多少距離が伸びても旧道のほうが遥かに気分よく走ることができる。
ただし隧道の崩落には十分に注意が必要だ。
以上のように、五十島トンネル旧道は五十島隧道を筆頭にして、 廃道マニアが脳内βエンドルフィンをぶちまけるには十分な良質区間であった。

で、本来ならここで終わるのだが、終わらせないのが三島の道。
まだまだまだまだ、ありました。
明治の道、そして三島の道が!
[ 04' 7/3、05' 4/2 訪問 ] [ 05' 11/18 作成 ]
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