シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 2

概要

シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道の地図 国道に戻り、さらに北へ進む。

2-1 現役なのか?

シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 17 畳ヶ浦トンネルを抜けると、ひとつの見所、海にそびえる立岩が目の前に迫る。
普通にドライブ、あるいは自転車での走行でも、このあたりは有料道路として観光化されるのもうなずける景色を楽しめる。
もっとも、有料道路時代は赤字続きだったというが・・・。
奥には次の国道トンネル、小浜トンネルも見える。

歩道は道路の路盤に埋まってしまったか、波に洗われたかで、この辺りには存在していない。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 18 小浜トンネルの手前には、おあつらえ向きに波間に下りる階段がある。
畳ヶ浦トンネル間瀬側坑口にあった歩道へのアクセスといい、車道建設の当時には昭和11年の歩道も遊歩道として人を歩かせる計らいがなされていたことが分かる。
その試みも、今では若干の太公望と私のような不心得者にしかありがたがれていない。

階段を下りた先にはわずかな足場があるが、2年前の訪問時は階段は海に直接下りていたと記憶している。
堆積によって足場ができたか、あるいは潮位で消えるような足場なのだろうか。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 19 階段を降りきり、180度回転して北を目指す。
といっても車道がトンネルで貫通しているようなところなわけで、目の前には岩盤が通せんぼ。
岩盤に見える広い穴は隧道ではなく、海食洞だ。
丸っこい石がゴロゴロする岩場を進んでいくと・・・
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 20
キタ!
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 21 今の足場より一段高くなったそれに張り付くと、向こう側の光が見えた。
無事貫通しているようだ。

滑らかな断面は明らかに海食のそれとは異なり、少なくとも人造であることは間違いない。
長らくその正体が不明であったが、昭和11年の道路開通の事実を見れば、目の前の隧道はそのときに造られたものと考えられる。

とてもこの隧道を回り込んで向こう側に到達できるような足場はなく、隧道開通以前の道が気になる。
あるいは、先ほど見たような路盤の崩落により消失したのかもしれない。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 22 隧道の手前には、確かにかつての歩道の痕跡が残っている。
実に怪しい石垣であるが、支えるべき路盤のコンクリートを失っても尚骨組みだけは残っているようだ。

今では隧道に進入するには多少の岩登りを必要とし、道としての機能は完全に失っているものの、確かにかつては穏やかな歩道が続いていたことが想像できる。
道幅は二人並んで通れるか通れないかくらいで、自動車の往来など微塵も考えていない道だ。

2-2 内部

シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 23 内部はほぼ直線で、延長はおよそ40〜50メートルくらいだろうか。
右側には道幅が部分的に膨らんだ箇所があるが、何か意図があってのことなのかはわからない。
ちょうど受付のようなスペースといった感じだ。

うっかりして明かりは自転車のところに置いてきてしまった。
戻ってもたいした距離ではないが、向こうの明かりも見えている上にそれほど長くはないので、明かりなしで突入することにした。
ま、実をいうとこの隧道への進入は3回目にもなるので、慣れもある。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 24 振り返れば、先ほど向こう側から見た海にそびえる立岩が坑口越しに望むことができる。

三月になって日が長くなってきたとはいえ、すでに時刻は午後4時近い。
日本海に沈もうとする日の光も徐々に赤みを帯び、隧道の内部にまで達してきた。
地図上では隧道の先にもまだまだ道は続いている。急ごう。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 25 一応国道から下りてくる階段がつけられている以上、遊歩道的な使命が少なくともかつてはあったはず。
今でもその使命を継続中なのかどうかはしらないが、少なくとも通行止めにはなっておらず、自由に立ち入ることができる。
実際、もはや数え切れないほどすぐそこの国道を走っているが、この隧道のあたりをうろうろしている人々を何度も見かけている。

隧道は完全に素掘り。
地質は固まった砂の中に角ばった石がちりばめられているといった感じで、一見するとひどく脆そうだ。
ただ、実際のところ、ちょっとくらい指で引っ掻いた程度では削れなかった。
まあ、まるっきり掘りっぱなしで70年も崩落せずにあるわけだから、意外と頑丈なのかもしれない。

ちなみに、このあたりの地質は「安山岩質凝灰岩」だそうだ(越後七浦有料道路誌より)。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 26 中ほどより振り返って撮影。
隧道の幅は自動車の幅くらいはあるだろう。
高さはその1.5倍くらいか。

足元にも一切手を加えられておらず、舗装の形跡もない。
海が荒れるときにはこの辺りまで波が来るのか、流木やゴミも散乱しており、延長は短いができれば明かりはあったほうが良い。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 27 足場が悪いながらも、結局暗闇のまま反対側の坑口に到達してしまった。
隧道自体にはほとんど痛みはない。足場の悪さも落石などではなく、流木などの漂着物だけだ。

角田側坑口は現道に近く、向かって右側は現道の路肩に圧迫されている。
また、五ヶ浜側と異なり、道のような痕跡は全くない。
一面傾斜した砂地であり、砂に埋まっている可能性もなくはないが・・・
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 28 隧道を出て、振り返って撮影。

五ヶ浜側に比べると、現道に近いせいか若干荒れ気味。
左側の現道から土砂が落ちてきているが、岩盤の剥離(崩落)というよりは単に飛んできた砂が堆積しただけのようで、痛みなどは見られない。

全体的に見て隧道に劣化はなく、今後もしばらく立ち入り禁止になることはないだろう。
昭和11年竣工であれば相当な年代ものに分類されるが、そう考えると現役としてはなかなか貴重な隧道といえそうだ。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 29 海側には波によってあけられた巨大な穴が開いている。
激しい飛沫が岸壁に弾け、雷鳴のような轟音がとどろく。
海中で転がる岩の音もガラガラと鮮明に響いてくる。

国道にある案内板には「雷岩」とかかれており、まさにその名がしっくりくる場所だ。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 30 この先しばらく路盤はない。
小さな湾になったこのあたりには砂が堆積しており、さきほどまで私の体に叩きつけてきた波もおだやかだ。
歩きやすい砂浜をさらに進む。
歩くのにさえ難儀した岸壁の道と違い、傾いた陽をながめながらのんびり。
なんてことのないような砂浜だが、実はこの先にまたひとつ・・・
[ 06' 3/5 訪問 ] [ 06' 4/14 作成 ]
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