シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 5

概要

シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道の地図 もうそろそろ終点である角田集落が近いはずなのだが、グネグネと曲がる断崖路は見通しが悪く、すぐ先も見えない。
めったに人などこないと思うが、人一人がやっとの幅では、人間同士が出会い頭に衝突・・・なんてこともあったりするかも。

※この回の編集は旅行中に行ったため、画像などが一部見難いかもしれません。数日中に改善いたします。

5-1 道も人も、戦う相手は「自然」

シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 62 相変わらず道はダイナミック。
ほとんど垂直の崖に無理やり道をつけたようなもので、下手をすれば隧道が穿たれていてもおかしくないようなところだ。

この道が造られる以前の道は山越えだったようだが、こんな危うい道を造られねばならないほど、険しい山越えだったのだろうか?
今ではその道も登山道としてハイキングを楽しむ人もいるようだが・・・
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 63
ドーン!!!!!!!!
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 64 道がダイナミックというのもあるが、ぶつかる波飛沫は何より迫力がある。
3月だというのに、日本海の表情はまだまだ冬の顔。
タイミングを見計らって駆け抜ける。

5-2 夢の廃サイクリングロード?

シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 65 もう少し行くと、また橋がある。
これもただのコンクリートの板だが、海面スレスレにあった以前の橋よりは状態がいい。
じゃあ渡るのに不安はないかというと、海面から数メートルの高さがある分恐怖は大きい。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 66 橋が越える巨大な裂け目は、奥が見えない。
裂け目に入り込み、行き場を見失った波が足元で激しく渦を巻き、揺れていた。

昭和11年の開通の後、シーサイドラインが開通してしまうと、この道は遊歩道となった。
しかしながら、当時の計画ではサイクリングロードにする計画もあったという。

・・・こんなおっそろしいところ、どうやって自転車で走れというんだ・・・

死人が出るぞ。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 67 もうひとつ同じようなコンクリートの橋を渡ると、景色に変化が現れる。
写真ではちょっと分かりにくいが、海抜数十メートルの断崖の上に白亜の灯台が見えてくるのだ。
あれは昭和34年に建設された、角田岬灯台。
もちろん現役で、この遊歩道からそこへ伸びる階段が見える。
つまり、もうそろそろ廃道区間も終わりということだ。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 68 その締めが、この看板。写真は看板をすり抜け、振り返って撮影。
道幅いっぱいにまで広げられた大きな看板は、徒歩といえども脇をくぐるのは少々難儀する。

看板の向こうにもなにやらコンクリートの塊があり、この看板の前世代の立ち入り禁止表示であろう。

5-3 判官もびっくり

シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 69 後ろ向きの立ち入り禁止の看板を過ぎたということは、この先は自由に出入りできる区間であるということだ。
はるか頭上の国道から下りてくる階段も確かにある。
だが、道の危険度でいえば、今までの区間となんら変わりないと思うが・・・

強烈なオーバーハングもあり、粗悪で湿潤なコンクリートはやっぱり滑る。
特に道幅が広がったとか、路肩の補強工事が行われているとかもない。転落防止の柵すらない。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 70 少し先には、奥行き10メートルほどの入り江状になった地形の、さらに奥に二つの海食洞が口をあけていた。
ここは「判官舟隠し」といい、かつて源義経が奥州へと落ち延びる際、追っ手から船を隠したという伝説がある。
確かに、小さな船が隠れるにはちょうどいい地形になっている。

先日、大河ドラマで義経が放送されていた頃、新潟県内にもいくつかある義経伝説を盛り上げようという機運があった。
ここもそのひとつだったが、結局のところ、観光客の数に大差はなかったらしい。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 71 完全に空は夕景だ。
今まで通ってきた断崖の道もオレンジ色に染まり、廃道区間を脱したこともあってゆっくり眺めることができる。

まあ、ここから家に帰るまでがまた大変なんだが・・・

5-4 第三隧道

シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 72 位置関係から坑口を捉えた写真が撮れないのだが、判官舟隠しのすぐ横には最後の隧道、第三隧道がある(二つ上の写真で、歩道が右に切れているところ)。
第一、第二隧道とは違い、ここは廃隧道というわけではなく、遊歩道として人を通しえる道だ。
この日も、親子連れが歩いていた。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 73 足元がコンクリートでしっかり舗装されている点で、他の隧道とは違っている。
しかしながら、内部は完全に掘りっ放しの素掘りだ。
他の隧道もそうだが、崩落とまでいかなくとも、細かい落石ぐらいありそうなものだが、足元は非常にきれいだ。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 74 中ほどから振り返って撮影。
このぐらいまで来ると、明らかに地質が変わってくる。
入り口付近はぼろぼろと崩れそうな小石の塊のようなものだったが、ここらはガッチリした岩塊だ。
シーサイドライン脇の廃歩道 怒涛渦巻く断崖の道 75 100メートルほどの隧道を抜けた先には民家がある。
正確には海の家で、当然ながらまだ春にもなりきっていないこの時期は閉店中。

出口に向かって右側には観光用の看板があり、先ほどの判官舟隠しの由来が書かれているものの、隧道に関する言及は残念ながらない。


この第三隧道が、シーサイドラインの北端、角田浜の集落への入り口だ。
弥彦・角田両山塊が海に迫る区間はここで終了し、この先の道は面白くも何ともない平坦な車道となる。
国道に戻り、家に帰・・・


第一隧道においてきた自転車、とってこなきゃな。
最近まで地形図に記載されることのなかった道で、正直昭和初期開通というのも文献的なヒントから想像されるものに過ぎず、 明確にこれを示すものは現地に存在しなかった。
とはいえ、その辺の由来を抜きにしても、岩肌に刻まれた豪快な道は、探求者の心を満たすに充分であった。
足元にさえ気をつけていれば、そのまま命にかかわるというようなことはないだろう。
立場上「おすすめ!」とはいえないが、一見の価値はあるように思われる。

ただ、夏場は「フナムシ」が大量に出ますので、その辺がダメな方はお控えください。
絶壁の上で転倒→転落したら、死ねます。
[ 06' 3/5 訪問 ] [ 06' 5/5 作成 ]
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