太郎丸隧道 闇の住民達の住処 0

概要

太郎丸隧道 闇の住民達の住処の地図 新潟県旧小国町(現長岡市)、太郎丸地区裏手の山に存在する一本の隧道記号。
地形図に記された前後の道は通常の道ではなく、「徒歩道」のそれである。
もうこの時点でどうかしてるはずなのだが、 手持ちのツーリングマップルにもしっかりと車道規格で描かれているのが驚きである。

隧道は国道でも県道でもない、名無しの道に存在する名無しの隧道。
ここでは太郎丸地区の名を取って太郎丸隧道とさせてもらう。
なにぶんメジャーな道としての記録がないため、また、小国町史を読み漁ってもこの隧道に関する記載はなく、詳細な由来は不明だ。
ただ、古地図からある程度の竣工年代は推定できたのだが・・・まあ、それは後述するとして、今回はいきなりレポートから開始しよう。

0-1 意気揚々

太郎丸隧道 闇の住民達の住処 1 この日は朝から旧桜町トンネル小国隧道を探索しており、 ガチな両隧道調査にテンションはこの日の最高気温30度をはるかに超えていた(意味不明)。
前回紹介した小国隧道からは直線距離でも大して離れておらず、あっという間に目的地、太郎丸の集落にやってきた。

断片的ながら太郎丸隧道に関する情報は得ており、どうやら素掘りらしいとのこと。
そんなおいしい隧道までもうあと一歩というところまで来たのに、昔からあるらしい太郎丸地区の中は道が複雑で目指す方向に進むこともできない。
頼りの地図もさすがにこんな集落内の道まで記しているはずもなく、散々迷いながらどうにかこうにか隧道を目指していった。
同じ道をもう一度通れといってもまず無理。
太郎丸隧道 闇の住民達の住処 2 「隧道を目指した」といっても、案内があるわけでもなく、また地図も先ほど述べたように集落内ではいい加減で役に立たない。
結局頼ったのは「地形」でしかなかった。
隧道が谷間の先端にあることから、両側に尾根を見られるような道を求めてうろついたに過ぎない。
実際にはまあ当たりだったのだが、ここまできても隧道に到達できる確証はなかった。

家並みが途切れる辺りに小さな工場があり、土曜日のこの日も中からはけたたましい機械音が響いてくる。
別に道は私有地ではないが、その脇を速やかに走り抜ける。
太郎丸隧道 闇の住民達の住処 3 谷間には現役の水田が広がっており、しばらくは人通りの多い区間。
おまけに、この日はその水田内でダンプカーやらショベルカーやらが轟音を立てながら作業を行っていた。
おそらく地震で壊れた棚田の補修と思われるが・・・問題なのは工事による立ち入り禁止の可能性だ。
たしかに立ち入り禁止の看板はそこかしこに見られるのだが、それらはどれも太郎丸隧道への道から脇道にそれることを禁じたものであり、 直進して行く分にはふさがれていない。

・・・いやでもこれは単に作業車が行き来するために開けているような気もするが・・・
ま、まあ、とにかくふさぐものがない以上、私は悪いことはしていない。多分。
れっつらごー

0-2 廃隧道への廃道

太郎丸隧道 闇の住民達の住処 4 工事区間を過ぎると、徐々に「味」が出てきた。
というのも、工事を行っている場所から先は耕作をしている様子がなく、廃田か、 あるいは地震によるダメージで少なくとも1年以上は放置されているようなところらしい。
この辺から地形図の道が「徒歩道」になるわけだが、それもうなずける。
もっとも、規格は十分に車道である。
太郎丸隧道 闇の住民達の住処 5 うふふ、楽しくなってきたぜおい。

足元のわだちは消え、薄い藪が広がる廃道となった。
定期的とは言わないまでも、多少の草刈は行われているようで、十分自転車に乗って進むことができる。
太郎丸隧道 闇の住民達の住処 6 周囲に広がる廃水田も、もう何か見慣れた気がする。
太郎丸隧道 闇の住民達の住処 7 薄暗い日陰で、ようやく車の轍が復活。
といっても痕跡程度のものだが。

隧道を含め、この道の往来はほとんどが周囲の水田への利用だったと思われる。
この先の太郎丸隧道が、山向こうとこちらを往復するために一般的に必要なものだったとはちょっと思えない。
というのも、太郎丸隧道は標高200メートルほどの稜線の下を貫いているが、すぐ北を流れる川沿いに進めば、容易に山を迂回できるからだ。
隧道を抜けてしばらく行くと、別の集落に当たるのだが、隧道を抜けた場合と川沿いに迂回した場合で、太郎丸地区からの距離はほとんど変わらない。
ゆえに、一般的な交通のためにどうしても必要な隧道というより、産業用というか、特定の人間にのみ必要とされた隧道だったのではなかろうか。
太郎丸隧道 闇の住民達の住処 8 なんて考えてたら、ヤビーになった・・・

隧道はもう目の前。
最後の試練である。
さすがに乗車しては進めなくなったが、藪漕ぎを強いられる距離はそう長くない。

逆S字を描く道の痕跡を頼りに、進む。

0-3 対面

太郎丸隧道 闇の住民達の住処 9
おばっ
太郎丸隧道 闇の住民達の住処 10 これは・・・キテル。

蛇腹のパイプで周囲を覆われ、中央に支保工もどきの角材が立てられている。
つーかこの角材、取ったら崩落するんじゃないのか。
いいのかこれで。

向こう側の明かりは見えており、この隧道も見事中越地震に耐えたようだ。
ただ、光はやけにぼやけており、中は霧が充満している模様。
太郎丸隧道 闇の住民達の住処 11 坑口から振り返って撮影。
少し広場のようになっているが、今は大部分が藪に覆われている。

ふもとの集落とはそれほど距離はないはずだが、もともと静かな山間。
さわやかな木々のざわめきだけが周囲に響いている。
"異様"の一言に尽きる坑口。
内部も・・・その通りだった。
[ 06' 7/8 訪問 ] [ 06' 9/1 作成 ]
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