猿毛岳スキー場跡 2

概要

猿毛岳スキー場跡の地図 スキーハウスのような、そうでないような。
その正体を求め、暗闇が包む建物の奥深くへと進んでいく。

2-1 隣り合わせの危険

猿毛岳スキー場跡 15 低い扉を潜ると、なにやら看板が落ちていた。
位置からして、今潜った扉の頭上に掲げられていたもののように思える。
何か文字が書かれていたようなのだが、いろいろやってみてもこの文字を解読することができなかった。
そもそもどっちが上なんだ、これは。
猿毛岳スキー場跡 16 扉を潜った瞬間から外の光は届かなくなる。
前方には窓が開いているが、狭いそれは全く内部を照らしてくれない。
灯りなしではとても進めない。
猿毛岳スキー場跡 17 上の場所でフラッシュをたいてみて、ようやく全景が映し出された。
そこは台所。
天井も何もかも腐り果てており、おそらくは目の前にあったであろう木の扉も、枠だけを残して消えてしまっていた。
足元にはさまざまなものが雑然とばら撒かれている。
相当に埃をかぶったものもあり、ここが放棄された当時のものかもしれない。
それにしてはめちゃくちゃだが。

わかりにくいが、通路は今立っている位置で右と正面の二手に分かれている。
正面の抜け落ちた天井にもびびったが、右を向いてさらにびびった。
猿毛岳スキー場跡 18
デンジャラスがヤバい!!!
猿毛岳スキー場跡 19 そこは建物屋上に続く階段だった。
前回述べたとおり、この屋上にはかつて本来のスキーロッジがあったと思われ、この階段はそこへと続いていたものだろう。
しかし、スキーロッジは既に失われ、積雪や雨風にまともに晒された階段は腐り落ち、至極絶妙なバランスの上にかろうじてその残骸が残されていた。
通路はその瓦礫に覆われており、乗り越えることはたやすいといえども、何かのバランスゲームのように不安定なそれは、 わずかな衝撃で以って残った階段部分の崩落を招くだろう。
触れることすらこれは危ない。

通路の先にはまだ部屋があるようだが、強行突破せねばらない理由はない。
ひとまず他の部分を先に見ておこう。
猿毛岳スキー場跡 20 正面の台所。
転がるポットも伏せられたマグカップも埃だらけだ。
いったいどんな人が、これを使ったのだろう。

2-2 判明

見取り図 台所に向かって左手には、二つ並んだ小部屋がある。
最初に手前の部屋から見ていこう。
猿毛岳スキー場跡 21 そこは窓もある部屋なのだが、ご覧のように目張りされており、中は全くの暗闇。さらにいうなら、蝙蝠までいたほどだ。
部屋の大きさは六畳くらいだろうか。
ボロボロのカーテンと、置き去りにされて朽ち果ててゆく小さな机が・・・ちょっと不気味。

この部屋は床が腐りまくっており、狭いこともあって深入りすることはやめておいた。
猿毛岳スキー場跡 22 この部屋にはいくつかのレトロなものが残されている。
まず入ってすぐに置いてあったのがこれなんだが・・・これは何だ?
ブリキのショーケースのようにも見えるが・・・正体は不明。
猿毛岳スキー場跡 23 部屋の奥にあるアレはひょっとして古の洗濯機かッ?!
よくみると、鉄腕アトムのアニメに出てきそうなメーターらしきものがついているではないか!
ああいうのが実際に使われているものを初めて見た・・・

さらに、部屋に入ってすぐ左手には押入れがあることが確認できた。
押入れに入っていたのは布団だろうから、ここは寝床か?
猿毛岳スキー場跡 24 隣の部屋もほとんど同じ大きさの部屋だ。
ここも窓は目張りされていたようだが、風雪のせいか抜け落ち、少しは光が入ってくる。

ちょっとおやとおもったのは、窓の上の棚。
そういえば、先ほど見た小部屋にも、同じ棚が設置されていた形跡があった。
ああいう電車の網棚のような棚は、普通の建物にあるもんじゃない。
どういうところにあるかというと、たとえば山の家とか合宿所とかの、雑魚寝の宿所・・・

「二つ並んだ、ほとんど同じ広さの部屋」
「押入れの存在」
「網棚」
これらを合わせると・・・

そうか、ひらめいた。
ここはスキー場付属の合宿所に違いない。
二つ並んだ部屋はそれぞれどちらかが男部屋で、もう一方が女部屋だ。
そして、この部屋で寝泊りしたのだ。

そういえば、私がかつてよく行っていた小さな市民スキー場には、スキーロッジと同じ並びに小さな宿泊施設があり、 スキーシーズンにはどこぞのスキー部が合宿していたような記憶がある。
おそらく、この建物はそれと同じものだろう。

2-3 退却・・・?

猿毛岳スキー場跡 25 さて、先へ進みたいところだが、先へ進むにはあの崩落階段を越えなければならない。
強行突破はさすがに命の危険を感じたので、別のアプローチを探すことにする。
といっても、侵入時に裏口らしき扉は見つけていたので、そこを目指す。

外へ出るのは来た道をそのまま戻らず、入ってきたところと逆の方向に出てみた。■見取り図
ガス管か水道管がぶらぶらと風に揺れているが、これは別に崩れてこうなったというわけではないようだ。
猿毛岳スキー場跡 26 侵入に利用した入口と同じ並びにある、裏口というか、勝手口。
扉は外れており、入り込むことは簡単そうに見えた・・・が。

扉を支えるつっかえ棒が邪魔。

あれを取らずに入ろうとすれば、どうしても扉に足をかけねば入れない。
が、つっかえ棒に支えられた扉に体重をかければ、間違いなく扉は音を立てて崩れ落ちる。
もちろん、棒を蹴り飛ばして取っ払っても同様。
それで死ぬわけでもないだろうが、私の探索の信条、「探索は さわらず荒らさず まったりと」は鉄の掟。
いかなる事情であろうと、風情豊かな廃墟の現状を損なうような真似は厳に慎まねばならない。
猿毛岳スキー場跡 27 とにかく扉に下手に手をかけると破壊してしまいそうだったので、触らずにカメラを突っ込んで撮影。
奥のほうには、崩落した階段の残骸と、先ほど見た小部屋の一つが見える。

破壊を気にしなければ、ここから入っていくことは何も難しくない。
だが、それをやっては、私が廃墟を愛でる意味も資格もない。
見取り図 現在位置。
廃墟探索は常に「現状維持」。
どこの世界に、ミケランジェロの彫刻を見に来て、その彫刻にケリを食らわす人間がいようか。

・・・では、どうやって中へ入る・・・?
[ 06' 4/22 訪問 ] [ 07' 2/27 作成 ]
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